ハプニングは突然に #2

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脱衣所にあったガウンを羽織って部屋に戻ると 長く重たい息が漏れる。 (……渡瀬、朔… ) 本当にびっくりしたけど、 それが囚われそうになっていた思考を飛ばしたのも事実で ( 癪だけど、ある意味感謝、か… ) 内心呟きつつ さっきのミネラルウオーターを探すけれど見当たらなかった。 仕方なしにミニキッチンの冷蔵庫を開けると スパークリングワインや白ワインが覗いていて ( ―――わ、至れり尽くせりね… ) チェックインをしない所を見ると、 彼は暫くここを借りているか何かなんだろう 冷えたワインがとても美味しそうで ( いいわよね、きっと… ) 私は白ワインを一本取り出して栓を抜いた。 トクトクと、グラスに注ぐ音が私の心を弾ませて、 冷えたそれが喉を通るとほっと息が漏れる。
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