ハプニングは突然に #2

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「―――美味しい 」 また透明の液体を注ぎながら ( あ、確か……) 丁度ベッドルームから東京タワーが見えたのを思い出して グラスを手に隣の部屋へと回った。 落ち着いた色調の部屋 手の中には美味しいワイン 窓の外には最高のロケーション  この間はこうして外を眺める気持ちになんて さらさらならなかったけれど 「……もう忘れたわ、あんな人… 」 口の端から微かな声が漏れる。 東京は私にとって ”渇いた都会” だけどこうして惹きつける光が煌めいていて 感傷的な気分が胸を取り巻く中、 心を空にするようにただじっと夜景を眺めていた。
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