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「―――美味しい 」
また透明の液体を注ぎながら
( あ、確か……)
丁度ベッドルームから東京タワーが見えたのを思い出して
グラスを手に隣の部屋へと回った。
落ち着いた色調の部屋
手の中には美味しいワイン
窓の外には最高のロケーション
この間はこうして外を眺める気持ちになんて
さらさらならなかったけれど
「……もう忘れたわ、あんな人… 」
口の端から微かな声が漏れる。
東京は私にとって ”渇いた都会”
だけどこうして惹きつける光が煌めいていて
感傷的な気分が胸を取り巻く中、
心を空にするようにただじっと夜景を眺めていた。
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