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合わせた唇から香るアルコールだけで
頭の中がぐらりと酔ったような感覚に陥る。
それは初めてこの部屋に来た時と似ていて、
だけど違うのは
彼の唇はあの時と正反対で、とても穏やかだという事
息遣いが、感じる温度が
私の思考をだんだんと白濁させていく
大きく気配が動いたのを感じたと同時に
バサ と衣が擦れる音が聞こえた。
そっと目を開くと、
すぐ傍に露わになった肌が見えて
(――――――――――――)
波打っていた心臓が
ドクン と大きく速く加速を始める。
何も纏わない肌はさっきバスルームで見た
だから絶対にこうはならないと高を括っていたのに、
流れる前髪や、
至近距離で見下ろす目、
漂う色香がさっきの何倍も私の鼓動を逸らせる。
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