動揺 #2

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「どうして、来たのよ……  どうして、名を呼んだりしたの……」 ため息の後に漏れた声は、私の耳にだけ大きく響く。 あんな蔑んだ目をして あんな言葉を投げたのに ”――――真白 ” その声だけがとても澄んでいて、 (……渡瀬… 朔……) 水滴がガラスを伝ってゆっくりと流れていく 心の中で呟いた名前は、 声にならないのに喉の奥を苦くさせて 私はそれを誤魔化すように 止まることのない水滴をただずっと眺めていた。
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