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運転手に告げた行先は田園調布
そんな所に何があるのと疑問が渦巻いて、
相変わらず思考が読めない彼に
波打つ鼓動が音を立て始めた。
(………ほんと、判らないわ…)
そこに何があるのかも、
山梨さんと一夜を過ごしていた筈の私を
横から ”買った” ことも
あなたが最後に向けた目はとても冷たくて、
投げた言葉だってとても辛辣だった。
それなのに
”―――――真白 ”
認めたくないけれど
あの時私を助けたのだって…何故だったの?
「…本当、どうして…」
判らない程のため息をついた時、
隣から大きく息がつかれたのが聞こえた。
何となく隣を盗み見ると
肘をついてこちらを見ていた彼と視線が交わる。
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