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その目は揶揄を含んでいて
ドクン、と心臓が跳ねた。
「どうして って
独り言言うくらいなら
言いたいこと、言えば? 」
「―――――――――」
なによ、 何なのよ
私は長く重たい息をつくと、ゆっくりと腕を組んだ。
折角お客として扱ってあげたのに、
あなたがそんなつもりならもういいわ
頂いたこのお金は
抉られた心の慰謝料にしてやるわよ
そのまま眉間を寄せて彼を見上げると、
「……お下がりってなによ
それにどうして
それを山梨さんに言ったのよ 」
思い切り棘のある言い方に、
彼は一瞬間を置いて、可笑しそうに目を伏せる。
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