心の奥、見えない気持ち #2

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(―――――――――――――) 視線の先を辿ると 小さな美術館のような建物が見えた。 だけどそんなのはないこの場所では 大きな木々に囲われたその建物は誰かの家で、 先に降りた彼に続いて外へ出ると 大きく吹いた風がその木々を揺らす。 「何、ここどこ…?」 たじろぐ私をよそに 肩越しにこちらを見ると、 「実家、俺の」 と、何でもない風に口を開いた。 「――――はっ?」 思わず出た大きな声に、慌てて口元を押さえる。 タクシーの中で見た時刻は もう深夜2時を過ぎたところで 覆った口元からゆっくりと手を外す私を横目に 彼は門戸を引いて中へと押しやった。
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