心の奥、見えない気持ち #2

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「ちょ…と…っ」 どんどんと奥に進んでしまう彼に、 このままここに留まる訳にもいかなくて (――――もうっ ) 迷いつつも小走りについて歩いた。 カチャリ と、鍵が回る音が響く。 それと同時にドアを開いた彼は、 視線だけで中へと促した。 ――――もう、何なのか判らない だけどこんな所まで来てしまったら 成り行きに身を任せるしかなくて、 「……………………」 視線に押されるようにして そろりと足を踏み入れると、 幾つかの明かりが点いている他は 真夜中らしい静まりを見せていた。 少しほっとした時、 伸びてきた手が私の手首を掴んで 廊下を抜け、奥の階段を上がり始める。
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