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階段を上がった先で一旦足を止めた彼は、
二つ目のドアをあけて私を中へと引き込んだ。
薄いカーテン越しの
外からの明かりだけが届く、暗い書斎
バタン と音が聞こえたと同時に
明かりが点いて、一瞬目が瞬たいた。
視界がはっきりとすると
「…なんで私を、こんな所に?」
深い息を吐き出しながら
思い切り眉根を寄せる。
彼はそれには答える代わりに
奥にあるドアを引いて
「こっち」と、私に目を向けた。
仕方なしにゆっくりと中を覗けば
そこはベッドやテレビ、クローゼットがある
『この人の部屋』
私を見下ろすその目を訝し気に見上げた時、
「廊下に出なければ自由にしてていい
だからここで、朝まで過ごして」
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