心の奥、見えない気持ち #2

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「……えっ、なに…」 目を開く私をよそに、 彼は大きなクローゼットを開けると 取り出した服の片方を手渡した。 私たちの手の中には 同じようなシャツとハーフパンツ 更に大きく目が開く私に、 「この部屋の奥にシャワーがあるから  冷蔵庫はこっち 自由に使って」 それだけ言うと 彼は傍を通り過ぎて部屋を後にする。 バタンと響いたドアの音で 意識を戻された私は、急いで後ろを振り返った。 だけどもう姿はなくて、 無駄に上質な部屋にその余韻だけが残る。 途端に脳裏を掠めるのは 初めて彼を誘ったあの日の記憶 「…本当、なにっ 」 無意識に怒り任せの声が漏れた。
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