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” 見込みのないあなたの事を
これっきりにするつもりだったから ”
喉まで出かけた言葉の代わりに
するりと口をついたのは、
「―――不本意だけど、
あの時の事を少しだけ感謝してるからよ
そのお礼のつもりだった」
―――嘘じゃない
認めたくないけど、それだって本心なの
おもむろに視線を落とした私は
鞄をひっつかんで立ち上がると、
「私の事、
何も知らないのに とやかく言わないで
あなたなんか――――」
「…自分の事を何も言わないのに、
どうやって知るなんて出来る?
俺が自分で見聞きしたものでしか測れない
そうさせてるのは他でもない、
真白自身だろ 」
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