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「 もしもし 」
「おー、アヤちゃん!
やっと連絡くれたなぁ、随分と待っててんでー
あんまり連絡ないから
渡した連絡先、朔に捨てられたかと思ったわ」
ははは と笑うその声は明るくて、
自然と電話越しの表情が脳裏に浮かぶ。
だけど私は、苦しくなった心臓を押さえながら
「…すみません、山梨様、
ご無沙汰してしまいましたね」
苦い笑みを浮かべて言葉を返した。
「ほーんま、
首を長くし過ぎて千切れそうやったで
――――って、
アヤちゃんが俺をほったらかしてる間に
俺もちょっと忙しなってもーてなぁ
残念やけど、暫く大阪におらなあかんくて
店に行けそうにないねん」
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