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「まぁ大阪にお戻りだったんですか
それは残念です」
羽振りのいいお客だったのに、と
僅かに肩が下がった時、
「―――あ、やけど、
来月一回だけそっち行くから
アヤちゃん出勤ならその日同伴せえへん?
稲川行こうやー」
その言葉に、
( わ、ラッキーね )
声色を明るくして「是非ご一緒したいです」と答える。
稲川は一度富士川さん達と行ったけど、
気に入った店だし、また行けるのは単純に嬉しい
「それで、 こっちに来られるのはいつなんですか?」
「えーっと、確かなぁー
来月初めの金曜から日曜までやねんけど、
金曜は一日動けんし、日曜は午前中に帰ってまうから
土曜になるんやけど 」
(――――あ、 )
来週頭の土曜… その日は――――
狙ったように重なる日にちに
思わず呆れたような、乾いた笑いが漏れた。
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