決戦の土曜日 #2

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一瞬訪れた静寂の後、どよめきが走った。 「ま、まじで」 「すごい 東京   そんな人が普通にいるんだ    ……ってか、小川と知り合い? …なんで…」 「小川さん、  ローツの受付してるって言ってたし、  もしかしてそれで顔見知りなのかも」 口ぐちに上がる声の真ん中で 手の中のボトルをぎゅっと握りしめた時、 「…元彼?」 ざわめきに混じって静かに届いた言葉に、 ドクンと心臓が跳ねた。 いつしかと同じ物言いが額に冷たい汗を滲ませて、 「そうだけど…  あなたには関係ないでしょう  ―――小川、  取りあえず出よう? 」 男の手が私へとゆっくりと伸びる。 (―――やめて……っ ) そう心の中で叫んだ瞬間 ぐらりと体が傾いて、 「くだらない男をいつまでも引き摺ってる  この人もこの人だけど…、  その元凶のあんたには   ――――心底苛々する 」 耳元で聞こえた声が鼓膜を震わせた。
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