怜奈と私

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「 平気?  迷惑掛けたみたいだけど 」 「……急に会社に来たから、  びっくりしたわ」 私は目を合わせずに少しむくれたふりをする。 通り過ぎた車のライトが 暗闇に向かい合う私たちを浮かび上がらせた時、 「………あの子は、  あなたが本当に好きなのね 」 独り言のように小さく呟くと、 彼はちらりと車の中に目を落とした。 「兄がわりに面倒見てたから  …今も手を焼いてるけど」 浮かべる少し呆れたような表情に、 思わず喉まで声が出かけた。 ―――そうじゃない  あの子は本気だって 従兄じゃない ” 渡瀬 朔 ” を好きだって
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