怜奈と私

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(……今、なん時…) 重たい頭を上げてカーテンを少し開ける。 昨日は空が白むくらいまで寝付けずにいて、 射し込んだ光が眩しくて目を伏せた。 もう昼を軽く回った時計を目にすると 私はよろよろとベッドを抜けて冷蔵庫に向かう。 テーブルの上には転がったビールの缶 それを横目に、 (――――駄目だ) 私は大きく息を吐き出して、 取り出したミネラルウォーターを喉に流し込んだ。 ( 今日はネイルとフェイシャル、  あと痩身も行こう ) そう決めてスマホに手を伸ばす。 予約しようと触れた画面には 新着メール表示 差出人は母からで、 『 昨日は楽しかった?  たまにはこっちにも帰ってきなさい 』 (――――――――――) 最後の文字を目で追った瞬間、 画面を閉じてテーブルに置いた。
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