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「どっか寄っていく?」
「スタバにしようか
―――――って…、あれ……」
業務を終えた内勤の子が
こちらを遠まきに見て通り過ぎていく。
彼が誰かなんて知らない筈なのに、
少し離れて嬌声に似た声が聞こえた。
通り過ぎていく度に聞こえる声を
何度か耳にした時、
「 怜奈と、話をした 」
届いた言葉の意味が胸に流れ落ちて、
伏していた顔が咄嗟に上がる。
(――――――――――――)
だけどそれは失敗だった
無意識に見てしまった彼の瞳が
あの時の情景を脳裏に甦らせる。
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