怜奈と私

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(――――――――――――――) 咄嗟に隣を見上げる。 だけど彼が私を見るより先に、 目を逸らした。 聞きたいけれど聞きたくなくて、 フェンスに掛けた手に力が入った時、 「そしたら一瞬驚いた顔で俺を見て…、    すぐにむくれて 『 あの人に何を言われたの 』って訊き返された」   「………その時の…、  あの子の顔が目に浮かぶわ 」 渇いた笑いと共に、ぽつりと呟く。 それはきっと、私に詰め寄った時と同じ顔 それをあなたに向ける程 あの子は――――
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