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「――――――――――――」
僅かに肩が跳ねた。
泳いだ視線を誤魔化そうとした私に、
「怜奈と話したあの日、あれから電話したのは―――、」
独り言のような声が届いた後、静かな間が流れる。
だけどそれがこの隔離された空間を浮き上がらせて、
鼓動が速くなった。
そこからいくら待ってもその先の言葉はなくて、
代わりに届いたのは
「男に慣れてる割に、
ピエモンテの男や、こないだの船の男といい
あんなのに引っかかって心に傷を作るなんて、
本当に見る目がない」
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