怜奈と私

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そんな話をしながら そろそろ更衣室に行こうと席を立った時、 誰もいないエントランスに自動ドアが開く音が響いた。 (―――――え、) これ以上の来客はないはずで 顔を上げた瞬間、目に映った人に大きく目が開いた。   まっすぐににこちらに足を向けるその子は、 私の真正面に立って挑むような目を向ける。 「仕事は、何時までなんですか?」 その声がエントランスに大きく聞こえて、 「今…、終わったけど…」 予想外の来客に一瞬たじろぐけれど、 私は普段通りに振る舞おうとした。 「なら、ちょっと話があるんで  来て欲しいんですけど」
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