怜奈と私

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「―――え?」 思わず顔を上げると その子はストローを口に運びながら、 「今夏休みで日本に帰って来てるけど、    新学期が始まるから帰るんです、アメリカに」 「…あなたは学生、なの?」 「 この夏に高校を卒業して、来月から大学生ですけど 」 (―――――――――――) 衝撃が走る。 20歳そこそこだと思ってたのに まだ未成年の学生だったなんて   驚き固まる私をよそに、 そんな事はどうでもいいとばかりに息がつかれて 「だから単刀直入に聞きますけど、  あなたって…朔のなんなんですか?」 (――――――――――――) 瞳に映るその子がじっと私を見つめている。 その目から逃れたい衝動に駆られながら なんでもない風に口元を上げた。 「……共通の知人がいる、会社関係の人よ 」
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