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「これから、どうする?」
「えっと……」
現在時刻は17時59分
予定なら今頃は、ドキドキさせつつ
後ろをついて歩かせてる筈だった
なのに、
(…これじゃ真逆じゃない )
やっぱり私は彼を甘くみていたらしい
映画を見ただけで疲労困憊なんて予想外過ぎる。
私は小さく息を吐き出して動悸を逃がすと、
「 散歩 」
「え?」
「この辺りを、散歩しない?」
そう言ってにっこりと微笑みながら
彼の腕に手を伸ばした。
見下ろす彼と視線が交わるけれど
相変わらずその瞳の奥は覗けない
ポーンとエレベーター音が届いたと同時に
目を外した彼はゆっくりと先へと歩き出した。
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