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「…え?」
それが少し可笑しくて、
「メイド喫茶でオムライス食べて、
アイドル劇場に行ったの」
そう目を合わせずに続けた。
―――その表情
「……一人で?」
「 さぁ、どうかしら 」
悪戯そうに目を細めると、
私は彼から手を離して先を歩き出す。
( ……やっとその顔が見れた )
今日一番の高揚感が私を包む中、
「いずれ判るんじゃない?」 と
小さく付け加えて辺りをぐるりと見渡した。
「―――そうだ、あれに乗らない?」
言いながら指差したのは、目印にしてきた観覧車
足を止めた彼は、
何も言わず無言でそれを見上げる。
「…拒否しないなら、同意よね?」
私はにっこりと微笑むと
軽い足取りで券を買おうと歩き出した。
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