かりそめのデート

24/40

471人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
そう言った彼は私をちらりと一瞥する。 (――――ちょ、) がっついてたなんて思われたくない私は 僅かに眉間を寄せて彼を見返す。 「久々に乗ろうと思っただけよ  それに、あなただって久々―――」 と、そこで言葉を止めて、 代わりに 「………もしかして…  二週間前に、乗った?」 そう訊れば、彼はふっと目を細めて視線を外した。 (―――――――――――――) 気持ちが僅かに下がる。 だけどそれに気付かないふりをして遠くを見つめた。 だんだんとパノラマが広がると あまりの高さに綺麗というより少しだけ怖い。 隙間風を微かに感じながら 観覧車はもうすぐ頂上を迎えようとしていて、 同時にふっと頭を掠めたのは この間読んだデート雑誌の記事
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

471人が本棚に入れています
本棚に追加