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(――――――――――――――)
ちらりと彼を見る。
さっきと変わらない姿勢でガラスの外を眺めていた。
その記事によれば、
遊園地と言えば観覧車で、
観覧車と言えば頂上でキスをするものらしい。
( キスか……)
確かに、このシチュエーションで私がキスしたら
――――少しは心も動くんじゃない?
頂上はあと少し
私はゆっくりと席を立って彼の隣へと移る。
すぐ傍に腰掛ければ、頬杖を外した彼が私を見下ろした。
私だけが映る瞳
眉ひとつ動かないその表情
私はそれを見上げながら
そっと彼の腕に手を掛ける。
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