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―――なんだろう
何故か騒ぐ胸に、ちらりと隣を見上げる。
だけどさっき見せた表情はその一瞬だけで、
( やっぱり気のせいか…)
内心息をついて視線を前に戻した。
と、その時、
「―――何? さっきから 」
耳を通り抜ける静かな声に、肩が僅かに跳ねた。
「……何でもないわ
お腹すいたし、これからどうしようかなって思っただけ 」
ふいと窓の外に目を向けると、
僅かに目を向けた彼がガラスに映り込む。
「今日はどこで食事の予定だった?」
「………さぁね 」
何も考えてなかったし、今食べたいのは蕎麦だなんて言えない
相変わらず遠くを見つめる私の耳に、
少し間を置いて届いたのは意外な言葉で
「今日はこのまま送るけど、
もし次に会ったら、そこで食事でも 」
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