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「――――――――――」
瞳が微かに揺れる。
……なによ それ
『 もし会ったら 』なんて、なんのつもり
そんなの口約束にもならないじゃない
何も言えない私は
目を閉じてガラスに映る彼を瞳から消した。
「……ねぇ、
あなたのお祖父さんは…あの後、何か言ってた?」
エンジンの音だけが聞こえる、無音に近い車内
この隔離された空間に響いたのは
小さな私の声で、
ガラス越しに目を向けると
一瞬目を合わせた彼はそのままふいと目を逸らす。
(―――言ってたんだ )
あの状況だと当たり前と言えば当たり前だけど、
一度彼の実家で対面した時の
面食らっていた顔が思い出される。
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