渋い現実

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私の顔を見た山梨さんは、 「ちゃうねん」とジロリと視線を戻す。 「さっき朔が俺がオーナーと話してる間に、支払い済ませよってな  俺、奢られるんめちゃ嫌いやねん」 (………え、なんで… ) 初めて会った時から羽振りがいいのは知ってる だけど山梨さんには必要ないでしょ 意味が判らないけれど、 ドンペリの支払いはあの人がしたという事はもう……、 「……よければ渡瀬様も  一緒に飲み直しませんか?」 そう言うしか仕方がなくて、 「お、  アヤちゃんもそう言うなら決まりや」 綺麗に微笑む私の背中を軽く叩くと、 山梨さんは先を歩き出した。
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