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「お大事にー」
小さな婦人病院を後にした私は、
鞄の中から僅かに覗く白い袋を横目に
先へと歩き出した。
今日は週初め、ここは会社から駅ひとつ先
大通りの一本手前に差し掛かると、
足を止めて細い脇道に目を向ける。
路地の奥に見えるのは、小さな灯りと看板
その地下が今日の待ち合わせの場所だった。
階段を降りると、ガヤガヤと賑わう店内を見渡す。
と、その時、
「―――小川さん 」
真後ろから聞こえた声に
ゆっくりと後ろを振り返った。
「富士川さん」
「久しぶり こんばんは」
にっこりと微笑む富士川さんに、
私も同じように綺麗に微笑む。
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