渋い現実

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――――いけない 富士川さんといるのに 他所に気を置いてどうするの 私は丁度運ばれて来たピザを指差して、 「…すみません、とても美味しそうで…」 「そんなお腹が空いてた?  なら沢山食べて」 気を取られていました と眉を下げると、 笑って「どうぞ」とそれを 私の方へと寄せた。 富士川さんは本当にこのお店が久し振りだったらしく、 二本目のジーマを持って来た店員と サッカーの話に花を咲かせ始める。 こないだの親善試合の話を聞きながら 軽く相槌を打ってピザを口に運んだ。
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