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何本目かのボトルを空になると
そろそろ出ようと店を後にする。
時刻は午前3時を過ぎた所
ひと気の無い路地に10月らしい風が吹いて、
少し火照った頬には丁度良かった。
眠らない街、とまではいかないけど
少し先に行けばタクシーは止まってる。
「今日はありがとうございました」
これでアヤの誕生日も終わりだと
ほっとしつつ微笑んだ時、
「そーや
さっきアヤちゃんに言い忘れ」
先を歩いていた山梨さんが
肩越しに振り返った。
靴音が路地に響いてそれが目の前で止まる。
思わずその顔を見上げたと同時に
伸びてきた指が私の胸に触れた。
「―――アヤちゃんのここ、
いくらなら渡してくれるかってやつ
あれ、冗談やから」
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