渋い現実#2

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何本目かのボトルを空になると そろそろ出ようと店を後にする。 時刻は午前3時を過ぎた所 ひと気の無い路地に10月らしい風が吹いて、 少し火照った頬には丁度良かった。 眠らない街、とまではいかないけど 少し先に行けばタクシーは止まってる。 「今日はありがとうございました」 これでアヤの誕生日も終わりだと ほっとしつつ微笑んだ時、 「そーや   さっきアヤちゃんに言い忘れ」 先を歩いていた山梨さんが 肩越しに振り返った。 靴音が路地に響いてそれが目の前で止まる。 思わずその顔を見上げたと同時に 伸びてきた指が私の胸に触れた。 「―――アヤちゃんのここ、  いくらなら渡してくれるかってやつ  あれ、冗談やから」
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