冷たい理想

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「じゃ、なによー  躊躇してるんなら私に紹介して」 「ホントよ、その人呼んで合コン開きなさいよね」 小突く真理に笑い返しながら もう一度『私』を確認して噛みしめる。 「―――嫌よ 捕まえるのは私なんだから  上手くいったらもう合コンは卒業するけど、  二人は頑張ってね」 「ちょっと、真白ー!」 そうよ 足踏みしててどうするの もう迷わない 迷いたくない 私が欲しいのは―――― 躊躇いを振り切るように、 私は何杯目かのビールを喉に流し込んだ。
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