冷たい理想

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「え…」 思わず隣を見上げる私に、困ったように眉を下げると 「私も社内でそこまで強く言える立場じゃないし  微妙な所なんだけどね  彼個人としては…  誰かに頼らずに何とかしようと思ってるようだった」 「でも、  家の為に結婚するなんて、もし考えてたりしたら  それは選んでは欲しくないんだ」 (――――――――――――) 何も言えずただ横顔を見つめる。 そんな私の顔を見て、 「一度失敗したからそう思うだけなんだけどね」と 苦い笑いを返した。 ”……私はね、一度結婚していたことがあるんだ  だけど3年前に駄目になってしまってね ” 前に富士川さんがそう話したのは 彼に見合い話が来てる事を知っていたからだろう
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