冷たい理想

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「――――真白!  ちょっと元気にしてたの?」 「引きこもり過ぎ、何ヶ月も何してたのー」 私を見るなり文句ばかりの二人に、 「…元気よ、  真理みたいに風邪はひいてないし」 と、思わず苦笑いをして席についた。 いつも集まる居酒屋に、午後7時丁度 ビールを飲みながら何を頼もうかとメニューを見ていると、 「それで?  ずっと合コン断って何やってたの?」 「何って……  仕事やお店は行ってたし普段と変わらないわ  ―――二人は?   私抜きの合コンなら  さぞかしいい男を捕まえたんでしょ?」 少し口元を上げてそう言う私に、 二人同時に息をついて 「…それならこんな所にいないわよ」 と、毒づきながらビールに手を伸ばす。
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