冷たい理想

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「え、ならあのイケメンって…何者なの?」 真理に隣からつつかれて、 私は小さく息をつくと、 「…リードの会長の、孫」と、 興味のない素振りで口にする。 「えっ まじで」 「…やっぱり  あの場にいるんならそんな所よね  あの雰囲気だと見合いか何かだろうし」 『 見合い 』 その言葉に微かに手が揺れる。 だけどそれを誤魔化すように ビールを喉に流した。 「リード、今厳しいもんね…  反対に住井商事は勢いあるし、  親族関係を結んで安定しようって所か 」 「―――そう言えば、  前に住井に勤めるお客から、  そこのお嬢様がリードのご子息に  熱をあげてるって聞いてたわ」
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