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(こういう事か…)
半ば嘆息しつつ
その女たちが傍に来た時、
「なに、…女来るの?
――――聞いてないけど」
そんな風に呟く。
すると少し焦った田中が、
「ちょ、渡瀬!
すいません、こいつドイツ帰りで作法判ってなくて
折角お前帰って来たのに、
男ばっかりじゃ華もないから来て貰ったんだよ」
『お前のためだ』を強調して
俺を黙らせようと必死だった。
そうして女たちに笑顔で
「座ってください」と席へと促す。
(…田中…、)
半分はよこしまな気持ちもあるだろうけど
半分は多分本当なんだろう
そういう奴だし、仕方ないと
ため息混じりに顔を上げた瞬間、
その中の一人と丁度目が合った。
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