プロローグ

4/6
387人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
―――ガチャリ ドアが閉まる音が大きく耳に響く。 それと同時に、 交わしたやりとりを思い出して思わず息が漏れた。 祖父はリード製薬の会長で、父はそこの社長 そして俺は直属のコンサルタントとして 大学院を卒業してからずっと経営に関わってきた。 うちは業界第2の製薬会社 そうと言っても、所詮日本の製薬会社は 海外の規模には遠く及ばない そして来年度には 収益を頼り切っているブロックバスターの特許が切れ、 大きく経営状態が悪くなるのが見えていた。 それを回収出来なければ どこかに吸収されてしまう 元々海外の医薬品やジェネリック事情に興味があった俺は、 多角的な視点から経営を改善しようと 一度取引をしたことのあるドイツの製薬会社に 数年身を置かせて貰っていた。 帰国して早々に俺を呼んだのは祖父 だけどされた内容は俺が思っていたのとは 全く別の話だった。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!