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―――ガチャリ
ドアが閉まる音が大きく耳に響く。
それと同時に、
交わしたやりとりを思い出して思わず息が漏れた。
祖父はリード製薬の会長で、父はそこの社長
そして俺は直属のコンサルタントとして
大学院を卒業してからずっと経営に関わってきた。
うちは業界第2の製薬会社
そうと言っても、所詮日本の製薬会社は
海外の規模には遠く及ばない
そして来年度には
収益を頼り切っているブロックバスターの特許が切れ、
大きく経営状態が悪くなるのが見えていた。
それを回収出来なければ
どこかに吸収されてしまう
元々海外の医薬品やジェネリック事情に興味があった俺は、
多角的な視点から経営を改善しようと
一度取引をしたことのあるドイツの製薬会社に
数年身を置かせて貰っていた。
帰国して早々に俺を呼んだのは祖父
だけどされた内容は俺が思っていたのとは
全く別の話だった。
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