プロローグ

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「朔、付き合ってる人はいないのか?」 「…は?」 一瞬意味が判らず眉をひそめる。 仕事の話だとばかり思って呼ばれた会長室 なのにまさかの恋愛事情を聞かれるなんて 寝耳に水だった。 「もうじき、朔も30だろう  そろそろ身を固めないか?」 その目… 何が言いたいのかが判った俺は あからさまに息を吐き出す。 父はその辺りを煩く言わない だけど祖父は昔から別だった 孫は俺と怜奈の二人だけ 年寄りの世話焼きっていうのはある意味強力で 怜奈は日本に帰ると じいさんにいろんな場所に連れて行かれる ある程度は割り切っていても、 その憂さ晴らしに俺が連れ回されていた。
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