387人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
「朔、付き合ってる人はいないのか?」
「…は?」
一瞬意味が判らず眉をひそめる。
仕事の話だとばかり思って呼ばれた会長室
なのにまさかの恋愛事情を聞かれるなんて
寝耳に水だった。
「もうじき、朔も30だろう
そろそろ身を固めないか?」
その目…
何が言いたいのかが判った俺は
あからさまに息を吐き出す。
父はその辺りを煩く言わない
だけど祖父は昔から別だった
孫は俺と怜奈の二人だけ
年寄りの世話焼きっていうのはある意味強力で
怜奈は日本に帰ると
じいさんにいろんな場所に連れて行かれる
ある程度は割り切っていても、
その憂さ晴らしに俺が連れ回されていた。
最初のコメントを投稿しよう!