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「…はぁ…」
まだカーテンすらない
月明かりがだけが届く部屋で、
俺はその端にある唯一の家具に腰を落とした。
ベッドが軋む音が大きく耳につく。
祖父にホテル暮らしがバレて、
実家に戻れと手を回されかけたのが先週の事
そうして急遽決めた部屋がここだった。
取りあえず契約はしたけれど、
まだ何もないここにはいつもは帰らない
だけど今日は実家に泊まることも、
ホテルに戻る気にもなれなかった。
「性急すぎるだろ…」
思わずため息混じりの声が漏れる。
さっき祖父に見せられたのは
締結書でも収支報告書でもなく、
10近くある見合い写真だった。
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