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「…副社長、そろそろ……」
遠慮がちに入って来た秘書と思しき人が
俺に会釈しつつ富士川さんを促す。
「…すいません、話し込んでしまって」
広げた資料を手早く片付けつつ頭を下げると、
「いいや、こちらこそいつも中途半端な所ですまない
これから出ないといけなくて…」
「はい、また伺わせて頂きます」
そう言って席を立った時、
富士川さんは少し思案するように上を向くと、
「……ちょっと待って 」
「―――え?」
「実は今からローツ製薬に伺うんだけど
もしよければ、渡瀬くんも行かないか?」
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