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その開かれた目を見据えながら
「わざわざこんな所まで来て、何の用?」
棘を含ませつつ肩で息をつくと、
その表情が少しばつが悪そうなものへと変わった。
だけど、すぐにその表情は崩れて
「有り得ない理由で放置されて、
あなたに一言言いわなきゃ気が済まなかったのよ」
嘘の笑みも浮かべず、怒りを俺に正面からぶつける。
その様子に俺はふっと小さく息をつくと、
「……なに? それが本性?」
そう静かに口にした。
「―――――――!」
瞬間、目の前の顔が更に歪んで
アヤは乱暴に鞄から何かを取り出すと
つかつかと俺に近付く。
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