溶けない肌

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黙ってここについて来たのは 俺が ”リードの渡瀬” だから? それとも… 行きずりや、成り行き? アヤのすぐ目の前に立ち、 じっと瞳を見つめたままミネラルウォーターを抜き取る。 「―――――――――――」 アヤはそんな俺の視線を逃れるように 少し先へ目を向けると、 「……先にシャワーを使わせて欲しいの 」 細い声を絞って傍を通り過ぎた。 ”―――見ないで、  私を知ろうとしないで ” 言葉じゃなく、態度でそう言われたような気がした。 「――――――――――」 自分から近付いて来るのに、 俺が一歩踏み出せばそうして離れていく 「…本当、判らない女 」 脱衣所が閉まる音と、漏れ出た声が混じる。 俺は長いため息を吐き出すと 鞄をソファーに放った。
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