466人が本棚に入れています
本棚に追加
黙ってここについて来たのは
俺が ”リードの渡瀬” だから?
それとも… 行きずりや、成り行き?
アヤのすぐ目の前に立ち、
じっと瞳を見つめたままミネラルウォーターを抜き取る。
「―――――――――――」
アヤはそんな俺の視線を逃れるように
少し先へ目を向けると、
「……先にシャワーを使わせて欲しいの 」
細い声を絞って傍を通り過ぎた。
”―――見ないで、
私を知ろうとしないで ”
言葉じゃなく、態度でそう言われたような気がした。
「――――――――――」
自分から近付いて来るのに、
俺が一歩踏み出せばそうして離れていく
「…本当、判らない女 」
脱衣所が閉まる音と、漏れ出た声が混じる。
俺は長いため息を吐き出すと
鞄をソファーに放った。
最初のコメントを投稿しよう!