溶けない肌

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ホテルに数日泊まるという叔父さんに便乗する形で 怜奈もあと数日身を寄せる予定で、 昨日も泊まっていたからキーは持ってるし、 ここで別れればいい そう思ってエントランスに車を横付けると、 怜奈は俺の肘を軽く摘んで首を横に振った。 「パパが帰ってくるまで、朔もいて」 その仕草は、昔から心細い時によくする癖 「…………………」 だけどもういい年だし、 それに対してはなんとも思わない 俺はおもむろに視線を自動ドアへと戻す。 叔父とは電話では話をしたけれど、 数年会っていなかった。 ここまで来たら挨拶くらいしていこうかと、 怜奈の手を外して駐車場に車を回す。 現在時刻は22時を過ぎた所 そのまま部屋へと向かおうとした時、 「あ、今日からパパとは別の部屋にしたから、  ちょっと待って」 「え?」 「だってー、  パパの携帯、変な時間に電話かかってくるから  良く寝られないもん」
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