溶けない肌

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だけど背を向けた程度で 思い切り隠そうとしている訳でもなく、 (へぇ…、) おもむろ指を伸ばし、 脇腹にあてたそれをなぞるように腰へと下ろす。 「――――――――――」 その指を眺めながら 生理的な反射で体を揺らすアヤに、内心鼻を鳴らした。 余韻を残すようにゆっくりと指を離せば、 そこに一筋雫が流れ落ちる。 未だ大きく立てる水音に、 溢れそうになっているそれ止め、そのままバスタブに身を落とした。 アヤの様子を窺うけれど、 シャワーを浴び続けるだけで微動だにしない (――――――――――――) 今触れた時に感じた温度は少し冷えていて、 「…入らないの?」 暫くしてシャワーを止めた背中に、 静かに問い掛けた。
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