溶けない肌

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「……喉が渇いたからもう出るわ  あなたは…ゆっくりして」 肩越しに一瞬だけ視線が絡む。 だけどすぐに目を逸らしたアヤは バスルームのドアを開けた。 パタン と、閉じる音が大きく耳に響く。 「はぁ…」 本当、何をしてるんだか らしくない自覚はあるのに 反応を知ろうとする自分に半ば呆れた。 おもむろに上を仰ぐと、目を閉じる。 (…砂みたいな女だな…… ) 掴んだつもりでも、 いつの間にかすり抜けて何も残っていない さっき触れた右手を暫く眺めると、 ため息混じりに指先を軽く握りしめた。
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