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(――――――――――)
予想していたものとは全く違う返答
それへの驚きと同時に
アヤへ感情は『本気』なのかと疑心が濃くなった時、
近くの店員を呼んだ山梨は
アフターをすると告げてちらりと俺を見た。
「あ、こいつの分も俺が払うから
いい娘つけたってー」
相変わらずの笑みを浮かべ、
無造作に出した札束を店員に掴ませる。
その仕草を霞んだ頭が理解しようとするのに、
「ほんならどっか行こうか、二人になれるとこ」
それより先に席を立った山梨は、
アヤの手引いて傍へと立ち上がらせた。
俺を一瞥する悪戯な目は光を反射して、
意図を読もうとする事を拒む。
「……判りました、
では先に下でお待ち頂けますか?」
僅かな間を置いて、
アヤはにっこりと微笑むとこちらを振り返った。
そうしてあっさりと別れの挨拶を告げ、
すぐに山梨を追うように視線を移した。
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