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「―――なぁ 朔、
俺アヤちゃん気に入ってるんやけど?」
最終確認だと言わんばかりの顔
それはさっきまでの表情とは違い、
いつもの見慣れた顔だった。
山梨がどう思っているのか…、
俺には判らない
だけど見過ごせば胸がざらつく事は判っている
(…その訳が…… )
判らないまま動く自分に苦く笑うと、
「知ってる」と、間を置いて山梨の目を見返した。
事の次第が飲み込めないアヤは、ただただ俺たちを見上げている。
困惑した視線を感じながら、
俺の本意を量ろうとする山梨から目は逸らさなかった。
と、大きく息を吐き出しながら、
「…あーもう!
しゃーないなぁ、今日は下がったるわ」
そう声をあげた山梨は、
胸元から何かを取り出してアヤへと一歩近付く。
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