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「あ、待ってて
もう少しで出来る…と思うから」
俺の視線の意味をはき違えたのか、
怜奈は慌ててキッチンに戻った。
俺は冷蔵庫からミネラルウォーターを出し、
おもむろに背を壁に預ける。
「……予定があるって、昨日メールしただろう」
思っていたよりも実際出たのは低い声
それが怜奈の動きを止めた。
硬い音を立ててキャップを捻った時、
「……その話はさっきしたでしょ
朔が相手してくれないから……
でも急に来たのは悪かったなって思った
だから……、ごめん」
「……………………」
ここに来るまでにタクシーの中で溜まった言葉を喉で止め、
代わりに水を喉に流し込む。
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