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衝動
「――――悪いけど、もう起きて 」
脇にある時計に目を向けると、時刻は7時半を少し過ぎた所。
何気なしに見た窓の外に、
一台の車を見たのが一時間程前だった。
そこから降りて来たのは祖父だけで、
怜奈の姿はなかったけれど、
この時間に帰って来たのなら、
一度支度を整えてどこかに出向くんだろう。
祖父が家にいる間に下りようと、
背を向けて眠る真白の肩に手を置いた。
「―――――――――――」
ゆっくりとこちらに寝返りを打った真白は
ぼやけた瞳で俺を見上る。
焦点が定まらずに、ぼんやりと微かに揺れる瞳
それを暫く見ていると、
だんだんと思考が働き始めたのか、
少し口を尖らせてシーツを手繰り寄せた。
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