衝動

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それが態度を変えた本音なのかは判らないけれど、 俺は小さく息をついて席を立つ。 普段なら取らないけれど、 同じものを皿にのせて戻れば真白は少し驚いたように俺を見た。 この場で女一人に食事をさせるのも不恰好かと 普段なら取らない朝食を取ってみたけれど、 一口かじっただけで思わず顔が歪む。 だけどそのまま手の中のマフィンを食べ終えると、 真白は少し可笑しそうに目を細めた。 それは昨日…、 俺の頬に冷たいボトルを当てた時に見た顔と同じで、 同時に覚えたのは、 何でもない事の中に何かを見つけたような、 そんな感覚だった。 (………本当、) 判らない女だ 不機嫌かと思えば、そうして瞳を奥を少し輝かせたり 心に僅かには触れたような気でいても、 多分思い過ごしなのだろう
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